自己破産の基礎知識
自己破産制度はほとんどの人にとっては一生涯、縁のない制度ですし、できれば関わりたくない制度でもあります。しかし何らかの理由で借金(債務)を返済できなくなってしまった人にとっては、人生をやり直す機会を与えてくれる、心強い制度でもあります。ただ身近に関わったことがある人が少ないためか、具体的にはどのような制度で、どのような流れで手続きを行うのかは意外と知られていません。そこでここでは自己破産制度とはどのような制度で、手続はどのようにして行うのか?また手続きに必要な書類や費用、どれほどの期間がかかるのかを、分かりやすく説明しています。まずは自己破産について正しい知識を身につけましょう。
自己破産の基礎知識一覧
- 自己破産制度とは?
- 破産法は大正11(1922)年に制定されましたが、平成17(2005)年1月1日の「新破産法」により改正され、「自己破産制度」はいままで以上に利用しやすくなり、自己破産をした人が"ゼロ"から再スタートをきりやすくなりました。
- 自己破産手続きの流れ
- 自己破産手続の大まかな流れを説明しています。
- 破産手続開始決定
- 自己破産制度は2つのステップを踏んで、はじめて債務の支払いが免除されるのですが、その1つ目のステップがこの「破産手続開始決定」で、債務者が裁判所に自己破産の申立てを行い、裁判所に「支払不能」と認めてもらえれば「破産手続開始決定」が下りるのです。
- 免責許可の決定
- 自己破産は2つのステップをクリアしなければ「債務の支払いは免除されず(借金はゼロにはならず)」、1つ目のステップが「破産手続開始決定」で、2つ目のステップが「免責許可の決定」となります。
- 免責不許可事由
- 免責許可の決定が下りるためには、「免責不許可事由」に該当しないことが条件となりますが、例え該当したとしても裁判官(裁判所)は必ずしも免責不許可にしなければならない訳ではなく、その判断は裁判官に委ねられることとなります。
- 自己破産手続に必要な書類(添付書類)
- 自己破産を申し立てるには、「必要書類+添付書類」と、さまざまな書類が必要になります(自己破産申立ては口頭でも可能ですが、実務上、口頭で行われることはなく、ほとんどが書面を提出して行われています)。
- 自己破産手続きにかかる費用
- 自己破産の費用は、債務者(破産申立人)自らが手続きを行う場合と、弁護士や司法書士に手続きを依頼する場合では当然、大きく費用が違ってきますし、同時廃止事件になるか、管財事件(少額管財事件)になるかによっても費用が異なってきます。
- 自己破産手続にかかる期間
- 自己破産の手続が全て終わる期間は、債務者(破産申立人)の事情や債務状況、弁護士に依頼しているかどうかで異なりますが、早ければ「約3ヶ月」、遅ければ「1年以上」かかる場合もありますが、平均的には「約半年」程だと思います。
- 自己破産と取り立て
- 自己破産手続が全て終わらなくても、「自己破産申立て」を行った時点で、申立てを行った裁判所から各金融業者へ「意見聴取書」が送付され、取立てが規制されますので、取立ては止まることになります。